Polymerase Chain Reaction test

少し前までは検査するにもいろいろと手続きがあって本当に必要な場合のみ実施するような感じだった。検査すらされないので陽か陰かもはっきりせずただテレビのニュースで煽りたてる数字だけを追ってたと思う。数値の上下で一喜一憂するのはどうかと思っていたが誰もかれも全員一斉に検査したとしたら秩序や理が不安と苛立ちに飲み込まれそうではあったのであの位の焦りが丁度良かったのだろう。

そしてついに自分も受ける立場になってしまった。持病があるからなのかもうそれほど制約もないからなのか思いのほか簡単にあの検査を体験することになった。歳をとると唾液が出にくくなるので一瞬だが鼻の奥がが痛い方の手段で検査を受けた。それほど痛くない。

検査をする側の準備は大変そうだ。以前病院で隔離される状況になった際に見た医者と看護師の装備より厳重な恰好で細長い採取棒をビニール袋の中に手を入れながら取り出した。検査は紹介された町医者の裏口勝手口のようなコンクリートのたたきの上ですべての窓と扉を開放したままで行われた。寒くはない。熱もあるのである意味気持ちがいいくらい。その日は天気が良く外から入る日差しが観葉植物の葉の間からこぼれるように降り注ぐ。少し上向き加減で鼻の奥がツンとなった時目の端にゴルフバックがちらりと映った。ここは裏口ではなく住居用建屋の玄関だったのだ。ひと様の趣味にどうこういうつもりはない。

翌日昼前には検査結果がお医者様から知らされた。陽性の場合はお役所から連絡があるそうだから詳しく聞く前から少しほっとしていた。結果が陰性であってもまだ安心してはいられない。何か不調があればすぐに連絡しなければならないと念を押された。そしてまだ解明していない高熱の原因も今は詳しく調べることができないからといきなり抗生物質の処方が出された。それで下がればそういうことだったのだろうと。

あれから2週間は経過した。熱も下がりそれ以外の不調も感じられない。たぶん私はついていたのだろう。

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